Take Energy with MERS

技術について

MERS™の基本

4つの逆導通型半導体素子に囲まれたコンデンサと、負荷側のリアクタンス(コイル成分)が共振し、電圧と力率を能動的に制御する特徴を持つ回路です。

これまで電流源型の電力変換は電流の可逆制御や電圧制御などが難しいなどの理由で、適用が限定されていました。MERS™は電圧や電流の制御が可能な電流源型変換回路ですが、組込みマイコンの低価格化、小型化、高性能化によって実用性の高い電力変換技術に進化してまいりました。

分類 特徴
AC-MERS™ 電源の周波数と同期して可変コンデンサとして振る舞う。MERSの基本
DC-MERS™ MERSの考えをソフトスイッチングの特徴を活かし高周波まで拡張した、効率のよい電力変換回路

MERS™の分類

MERS技術は1998年の発明以来、研究の進展につれその特性を活かした応用範囲が大きく広がってきています。それは、MERS™回路の特徴により大きく2つの領域に分けて考えることができるからです。

AC-MERS™(えーしーまーす)

ダイナミックな可変コンデンサーとしての特性を応用

入力交流電源のサイクル毎に負荷に「磁気エネルギーを回生する順逆両方向スイッチ」として発明されました。MERS™を交流電源と負荷の間に直列に接続すると、交流系統において容量をライン周波数ごとに制御できる「可変コンデンサ」の機能を発揮することが発明され、照明装置の調光や誘導電動機の運転制御への適用が実証されました。MERS™可変コンデンサーは、系統に直列または並列に接続され動的に制御できる「リアクタンス補償装置」として機能します。

LC共振を利用する生来の性質で、MERS™は簡単な制御でソフトスイッチング動作が可能であり、エネルギー損失と高周波ノイズの発生、発熱が少ないことが確認されました。

実用化もしくは開発に着手した適用例は、蛍光灯・水銀灯など放電管の調光、誘導電動機の制御などであり、発電機の性能向上、「交流送電制御システム(FACTS)」などです。

DC-MERS™(でぃーしーまーす)

フトスイッチング動作による電力変換機能の応用

MERS™の回路内のコンデンサーに発生する直流パルス電圧の変調を利用した可変周波数電源装置は、パートナー企業の生産ラインへの試作機の製作も成功し、生産ラインへの投入する5MVAの実機も製作されました。これでMERS™はメガワット以上のアプリケーションにも十分に適用可能であることが実証されました。この応用を利用して現在、誘導給電装置の開発が始まっています。

さらに近年の研究では、AC-MERS™の双対回路を活用した「高周波DCパルスリンク順逆両用インバータ・コンバータ」として、以下のように広範囲での実用化を目指した開発が進んでいます。

  • 広範な入出力で低損失 低発熱 低ノイズの実現
  • 高エネルギー密度すなわち小型化の実現
  • 半導体・部品の削減と回路の単純化、長寿命化
  • 電動機駆動装置、HEMS、BEMS、EV用電力変換装置、高圧直流送電用電力変換器などへの適用

優位性

MERS™を用いて構成される回路は従来のインバータ/コンバータ回路で実現される機能だけでなく、従来では実現できなかった機能をも提供することができます。従来と同じ機能を発揮させる場合ではより高い効率や力率を実現し、制御性も良い。そして従来の回路では実現できなかった機能は、これまでに無い装置や系統の運用を可能にします。

現在のところ、インバータ回路は電圧源型PWM方式が主流ですが、この方式は入力側に定電圧源コンデンサが必要となり、小型化や軽量化が難しい。また、ハードスイッチングを行っているため回路や制御は複雑になっています。そしてこれらは通常片方向運転式であり、双方向性を持たせるには追加回路が必要です。

MERS™はこれら全ての課題と無縁です。単純な回路と単純な制御で同様に機能を実現するため、制御の変更や機能の拡大を最小限の変更を加えることによって達成することができます。これは回路の小型化や低コスト化へと直結し、技術と経済性の両方で従来技術と比較しても多くの用途で優位であるといえます。

 

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